旧鎌倉図書館

旧鎌倉図書館 · 13日 8月 2018
(仮称)おなり子どもの家耐震改修工事がいま一時中止になっています。昭和11年に建てられ、昭和49年まで鎌倉の図書館として使われた建物を保存して、子どもの家として活用するために、この4月から耐震改修工事が始まっていました。なるべく創建時に近い形で修復し、現在の耐震基準も満たすような改修工事が進められていたのですが、壁や窓枠を取り除いた時点で土台付近が予想以上に腐朽していることがわかり、工事が一時中止の状態になっています。 このことは市役所のホームページに写真付きで掲載され、6月議会の総務常任委員会でも市側から報告されています。ローカル紙でも大きく報道されました(8月1日付け神奈川新聞、タウンニュース鎌倉版7月13日号)。TOTOMOにも市の公的不動産維持担当から直接連絡が入り、6月13日に工事現場を見学させていただきました。 建物内部は立ち入り禁止でしたが、基礎と土台、柱、屋根など骨組みだけの状態になっていましたので、外側から見ても土台付近の腐食がかなりのものであることは見て取れました。とくに外壁面の土台部分の防水が万全でなかったせいか雨水の浸透などによって湿気を帯び、水分を好むシロアリの浸食が進んでしまったようです。 ただ、私たちは専門家ではありませんので、現況の正確な把握や今後の対応策などについて何も言えません。そこで2015年にTOTOMOが旧図書館の保存運動をしたときに無償で現地調査をしてくださった建築家の方々に連絡を取り、再び現地視察をお願いしました。その結果、7月5日に、横浜国立大学名誉教授の吉田鋼市先生をはじめ7名の専門家の方が現況調査をしてくださいました。TOTOMOの会員も1名が立ち会っています。 その所見によると、外壁面の土台の多くと柱・梁の一部に腐朽がみられるが、それ以外の躯体は健全な状態にあり、腐朽した部材の交換によって長期使用に耐える改修を行い、鎌倉の歴史資産として後世に引き継いでいくことを切望するとしています。ローカル紙の記事では「難易度の高い追加工事が必要」とありますが、所見では土台の交換は木構造の工法でよく行われていることで特殊な工法は必要ないとしています。 いずれにしてもジャッキアップして土台の入れ替えを行う、太い通し柱を取り替えるとなると(このことで文化財登録は難しくなりますが)、材料費を含め工事費の追加予算を組まないといけません。市としては頭の痛い問題だとは思いますが、いったん解体予算を成立させながら市長が保存へと勇気ある決断を示されたのですから、既定方針通りに市の中心部の歴史的景観を構成する重要建築物として修復する方向で今後も工事を進めていただきたいと考えます。 市内には他にも長谷の子ども会館など市所有の歴史的建造物があり、耐震工事などの必要性に迫られています。今回の工事も市として耐震改修工事の経験を学ぶいいチャンスととらえ、良き先例づくりとなるよう頑張って取り組んでいただければと思います。